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東京都新宿区 産科事故を扱う谷直樹法律事務所

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臍帯脱出

臍帯脱出

弁護士谷直樹は、臍帯脱出の事件を担当し、示談で解決しました。

多産婦、横位や骨盤位、多胎、低出生体重児、羊水過多、前・早期破水、臍帯過長、メトロイリンテルの脱出後、胎児先進部が骨盤内に嵌入する前に実施される人工破膜等が臍帯脱出の危険因子です。
臍帯脱出をおこすと臍帯が胎児と産道の間に挟まれ圧迫されて、臍帯内を流れる血液量が減少し、短時間内に胎児の低酸素状態、無酸素状態を引き起こすおそれがあり、分を争う帝王切開が必要になります。




○ 「産婦人科診療ガイドライン―産科編 2023」
CQ412−1(238頁) 分娩誘発の方法とその注意点は?
CQ412−2(240頁) 分娩誘発を目的とした頸管熟化・拡張法の注意点は?

○ 産科医療補償
第3回報告書(2013年)

1)産科医療関係者に対する提言
(1)メトロイリンテルの使用にあたって
@ 子宮頸管の熟化の評価など分娩誘発・促進の適応や要約を適正に判断し、また胎児の健常性の評価や異常時の対応などについても考慮し、ガイドラインに沿って慎重に使用する。
A41mL以上のメトロイリンテルを使用する場合、特に臍帯脱出に注意する。
B 臍帯下垂・脱出がないことを確認しても、妊産婦の移動により臍帯や胎児先進部の位置が変わることがあるため、移動後に再度確認する。また、メトロイリンテル脱出から時間が経過して臍帯脱出が起こることがあるため定期的に観察するなど、臍帯下垂・脱出には十分に注意する。
参照 メトロイリンテル使用フローチャート(P.73)
(2)人工破膜の実施にあたって
@ 人工破膜実施の直前に、胎児先進部が固定したことおよび臍帯下垂がないことを確認した後に実施する。
A 人工破膜実施後には、内診や腟鏡診などにより臍帯脱出の有無について速やかに確認する。
B 胎児先進部が一度固定されたとしても、妊産婦の移動などにより胎児先進部の位置が変わることがあるため、移動後に臍帯下垂・脱出がないことを再度確認する。
参照 人工破膜実施フローチャート(P.74)
(3)分娩機関内で発症した臍帯脱出への対応について
@ 臍帯脱出が認められた際には、骨盤高位を保持し、内診指により胎児先進部を挙上させたまま、緊急帝王切開術に移行する。経腟急速遂娩は、子宮口が全開大で先進部が十分に下降しているときのみ行う。
A また、血管攣縮を避けるため、脱出した臍帯にはできる限り触れない。よって、むやみに臍帯還納を行うことは勧められない。
(4)分娩機関外で発症した臍帯脱出への対応について
@臍帯脱出等の緊急事態が予想される妊産婦から連絡があった場合、骨盤高位や胸膝位の体位保持、移動手段など来院までの対処方法を具体的に指示する。
Aまた、来院時の場所や受付方法を分かりやすく伝える。

第1回報告書(2011年)
1)産科医療関係者に対する提言
産科医療関係者は、分娩管理を行うにあたり以下について認識する。
(1) 臍帯脱出が起こった3件すべてに、経産婦、頭位、分娩誘発、メトロイリンテル挿入、メトロイリンテル自然脱出、妊産婦の移動、人工破膜という共通点があった。
(2)児頭が一度固定されたとしても、妊産婦の移動や体位交換などにより児頭の位置が変わることがある。
(3) 臍帯下垂がないことを内診や超音波で確認しても、臍帯脱出をきたした事例があった。

○ 裁判例
最高裁平成17年9月8日判決
被上告人医師が、分娩が遷延するのを避ける目的で人工破膜を施行したところ、破水後に臍帯の膣内脱出が起こり、胎児の心拍数が急激に低下し、臍帯を子宮内に還納しようとしたが奏功せず、帝王切開術に移行せず、骨盤位牽出術を開始し、出生した児が死亡した事案で「被上告人医師は,上告人らに対し,一般的な経膣分娩の危険性について一応の説明はしたものの,胎児の最新の状態とこれらに基づく経膣分娩の選択理由を十分に説明しなかった上,もし分娩中に何か起こったらすぐにでも帝王切開術に移れるのだから心配はないなどと異常事態が生じた場合の経膣分娩から帝王切開術への移行について誤解を与えるような説明をしたというのであるから,被上告人医師の上記説明は,上記義務を尽くしたものということはできない。」と判示した。

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