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東京都新宿区 産科事故を扱う谷直樹法律事務所

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胎児心拍陣痛図による分娩管理

胎児心拍陣痛図による分娩管理

胎児心拍陣痛図による分娩管理が適切に行われていない場合,子宮収縮陣痛促進薬の使用方法が守られていない場合等注意義務違反(過失)があり,脳性麻痺等の結果が発生したとき,医療過誤として責任を問えるかが検討されます。注意義務違反(過失)については「産婦人科診療ガイドライン―産科編 2023」が参考になります。

◆ 胎児心拍陣痛図による分娩管理
「産婦人科診療ガイドライン―産科編 2023」のCQ408~411が参考になります。
CQ408 分娩経過中に正常胎児心拍数波形から突然高度徐脈(あるいは遷延一過性徐脈)を認めた場合の対応は?
CQ409 妊娠 41 週以降妊婦の取り扱いは?
CQ410 分娩中の胎児心拍数及び陣痛の観察は?
CQ411 胎児心拍数陣痛図の評価法とその対応は?




◆ 胎児心拍数基線細変動 FHR baseline variability

胎児心拍数基線細変動は 1 分間に 2 サイクル以上の胎児心拍数の変動であり,振幅,周波数とも規則性がないものをいう。sinusoidal pattern はこの細変動の分類には入れない。 細変動を振幅の大きさによって 4 段階に分類する。
1.細変動消失(undetectable):肉眼的に認められない。
2.細変動減少(minimal):5bpm 以下
3.細変動中等度(moderate):6~25bpm
4.細変動増加(marked):26bpm 以上 この分類は肉眼的に判読する。Short term variability、 long term variability の表現はしない。

◆ 胎児心拍数一過性変動 periodic or episodic change of FHR

1.一過性頻脈 acceleration 一過性頻脈とは心拍数が開始からピークまでが 30 秒未満の急速な増加で開始から頂点までが 15bpm以上、元に戻るまでの持続が 15 秒以上 2 分間未満のものをいう。32 週未満では心拍数増加が 10bpm 以上、持続が 10 秒以上のものとする。
2.遷延一過性頻脈 prolonged acceleration 頻脈の持続が 2 分以上、10 分未満であるものは遷延一過性頻脈(prolonged acceleration)とする。10 分以上持続するものは基線が変化したものとみなす。
3.一過性徐脈 deceleration 一過性徐脈の波形は、心拍数の減少が急速であるか、緩やかであるかにより、肉眼的に区別することを基本とする。その判断が困難な場合は心拍数減少の開始から最下点に至るまでに要する時間を参考とし、両者の境界を 30 秒とする。対応する子宮収縮がある場合には以下の 4 つに分類する。対応する子宮収縮がない場合でも変動一過性徐脈と遷延一過性徐脈は判読する。
4.早発一過性徐脈 early deceleration 早発一過性徐脈とは、子宮収縮に伴って、心拍数が緩やかに減少し、緩やかに回復する波形で、一過性徐脈の最下点が子宮収縮の最強点と概ね一致しているものをいう。
5.遅発一過性徐脈 late deceleration 遅発一過性徐脈は、子宮収縮に伴って、心拍数が緩やかに減少し、緩やかに回復する波形で、一過性徐脈の最下点が子宮収縮の最強点より遅れているものをいう。多くの場合、一過性徐脈の開始・最下点・回復が、おのおの子宮収縮の開始・最強点・終了より遅れる。
6.変動一過性徐脈 variable deceleration 変動一過性徐脈とは、15bpm 以上の心拍数減少が急速に起こり、開始から回復まで 15 秒以上 2 分未満の波形をいう。その心拍数減少は直前の心拍数より算出される。子宮収縮に伴って発生する場合は、一定の形を取らず、下降度、持続時間は子宮収縮ごとに変動することが多い。
7.遷延一過性徐脈 prolonged deceleration 遷延一過性徐脈とは心拍数減少が 15bpm 以上で、開始から回復まで 2 分以上 10 分未満の波形をいう。その心拍数減少は直前の心拍数より算出される。10 分以上の心拍数減少の持続は基線の変化とみなす。

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