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東京都新宿区 産科事故を扱う谷直樹法律事務所

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切迫早産

切迫早産

早産は、妊娠 22 週 0 日から妊娠 36 週 6 日までの出産をいいます。切迫早産は、早産の一歩手前の状態です。
とくに切迫早産と思いこんで常位胎盤早期剥離の診断血量が遅れるケースが問題になります。常位胎盤早期剥離との鑑別診断のため、分娩監視装置の装着、超音波断層法を実施する必要があります。
我が国では、 long term tocolysisが行われていますが、有効であるとのエビデンスはありません。
未だに塩酸リトドリンの投与が行われていますが、有害事象が報告されています。


「産科婦人科臨床シリーズ2 妊娠期の正常と異常」p126 中井章人先生執筆[早産の管理]

「産婦人科診療ガイドライン―産科編 2023」

CQ302 切迫早産の診断と管理の注意点は?

「1.妊娠 22 週 0 日から妊娠 36 週 6 日までの妊娠中に,規則的な子宮収縮が認められ,かつ子宮頸管の開大度・展退度に進行が認められる場合や,あるいは初回の診察で子宮頸管の開大が 2cm 以上となっている場合などは,早産となる危険性が高い状態と判断する.(B)」
「2.子宮収縮は常位胎盤早期剥離の初発症状の一つであることを認識し,特に胎児心拍数パターン異常を伴う場合は,常位胎盤早期剥離を念頭において診療を行う.(B)」
「3.切迫早産の診断後,分娩を遅延させる必要がある場合には,以下を行う.
1)子宮収縮抑制薬投与等を開始する.(B)
2)分娩後の対応も含めて自施設での管理が困難な場合,ハイリスク新生児管理可能施設への紹介もしくは母体搬送を試みる.(B)」
「5.以下の場合が予想される場合には,児の肺成熟や頭蓋内出血予防を目的として,母体にベタメタゾン 12mg を 24 時間ごと,計 2 回,筋肉内投与する.
1)妊娠 24 週以降 34 週未満の早産が 1 週以内に予想される場合(B)」

* 児の予後改善目的の経母体ステロイド投与の有効性について

○ 妊娠22週以降24週未満 ステロイド投与の有効性を示した大規模観察研究がありますが、まだエビデンスは低い。
○ 妊娠34週以降37週未満 呼吸障害を減少させた(新生児低血糖の頻度は増加した)というRCT(ランダム化比較試験)があります。ACOGは推奨しますが、発達障害のリスクが高いことから、日本のガイドラインは推奨を見送っています。

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