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東京都新宿区 産科事故を扱う谷直樹法律事務所

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妊娠高血圧症候群

妊娠高血圧症候群とは

妊娠時に高血圧を認めた場合,妊娠高血圧症候群といいます。妊娠前から高血圧を認める場合,もしくは妊娠20週までに高血圧を認める場合を高血圧合併妊娠と呼びます。

「産婦人科診療ガイドライン―産科編 2023」
CQ309-1(176頁) 妊婦検診において収縮期血圧≧140かつ/または拡張期血圧≧90mmHgや尿蛋白陽性(≧1+)を認めたら?
「1.高血圧や蛋白尿を認めた妊婦が妊娠高血圧症候群であるかについて,日本産婦人科学会による「妊娠高血圧症候群の定義分類」に沿って診断し,病型分類を行う.(A)」
「2.妊婦健診での高血圧スクリーニングは診察室(病院内)血圧測定で行い,収縮期血圧≧140かつ/または拡張期血圧≧90mmHgを認めた場合,妊娠高血圧症候群あるいは白衣高血圧と診断する.(B)」
「4.収縮期血圧≧160かつ/または拡張期血圧≧110mmhgを複数回認める場合は「高血圧緊急症」を念頭におき速やかに降圧を行い,原則とし入院管理とする.(B)CQ309-2参照」

CQ309-2(181頁) 妊娠血圧症候群と診断されたら?
「1.妊娠高血圧腎症,加重型妊娠高血圧腎症,重症妊娠高血圧,重症高血圧合併妊娠は原則として入院管理を行う.(B)」
「2.非重症域の高血圧(収縮期血圧140〜159かつ/または拡張期血圧≧90〜109mmhg)でも母児の予後を悪化させる可能性があることを念頭に管理する.(B)」
「3.収縮期血圧≧160 かつ/または拡張期血圧≧110mmHg を複数回認める場合は「高血圧緊急症」を念頭におき速やかに降圧を行う.(B)」
「4.急性期の降圧治療は,胎児心拍モニタリングを行い胎児の状態を監視しながら行う.(B)」
「5.母体の病態評価(血圧測定,血液検査,尿検査,Answer 6に記載した症状の確認など)と胎児健常性(well-being)評価(NST,超音波検査など)定期的に行う.(B)」
「7.妊娠高血圧症候群において,著しい母体臓器障害,子宮胎盤機能不全,治療に抵抗する重症高血圧などを認め,母児の生命に危険な状態と考えられた場合は妊娠週数に関係なく妊娠終結を図る.(B)」
「10.妊娠終結における分娩様式(分娩誘発による経膣分娩か帝王切開)については,母児の病態の重篤度や緊急度などを考慮して選択する.(B)」

CQ309-3(185頁) 妊娠褥婦が子癇を起こしたときの対応は?
「1.母体救急処置(転落防止,気道確保と酸素投与,バイタルサインの評価,静脈ルート確保)(A)と胎児心拍数モニタリング(分娩前の場合)(B)を行う.」
「2.子癇再発予防のため硫酸マグネシウム水和物(MgSO4)をボーラス投与し、引き続き持続投与を行う.(B)」
「3.収縮期血圧≧160mmHg あるいは拡張期血圧≧110mmHg が確認された場合,降圧薬による降圧治療を速やかに開始する.(B)」
「4.血液検査(血算,AST,ALT,LDH,CRE,Mg を含む)を行う.(B)」
「5.子癇再発時はMgSO4のボーラス投与あるいはベンゾジアゼピン系薬剤の静注を行う.(B)
「6.呼吸状態および血圧の安定化後に,けいれんを起こす他の疾患(脳卒中,てんかんなど)の可能性を検討する.(B)」
「7.脳卒中(CQ506を参照)が疑われる場合は,母体状態の安定化後に頭部 CT 検査を行う.(B)」
「8.胎児健常性(well-being)を評価し,母体状態の安定化後に,児の早期娩出をはかる.(B)」


妊娠高血圧証症候群 産科医療補償制度PDF




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