本文へスキップ

東京都新宿区 産科事故を扱う谷直樹法律事務所

電話でのご予約・お問い合わせはTEL.03-5363-2052

〒160-0003 東京都新宿区四谷本塩町3-1四谷ワイズビル1階

異所性妊娠

異所性妊娠

弁護士谷直樹は、異所性妊娠(ectopic pregnancy:EP)の事案を担当し、示談で解決したことがあります。

1.疫学
わが国の妊産婦死亡の0.7%が異所性妊娠によるものと推定されています。
異所性妊娠は、95%以上が卵管妊娠であり、卵管澎大部70%,卵管峡部11%,卵管采11~12%,間質部2~4%と報告されています。卵管間質部妊娠は増加傾向にあるとされています。


2.異所性妊娠を疑う場合 
「産婦人科診療ガイドライン―産科編 2023」CQ203のAnswerは、
「1.妊娠反応陽性で以下のいずれかを認める場合,異所性妊娠を疑う.(B)
1)子宮腔内に胎囊構造を確認できない(妊娠 5~6 週以降).
2)子宮腔外に胎囊様構造物を認める.
3)流産手術による摘出物,または自然排出された子宮内容物に絨毛が確認されない.
4)急性腹症を示す.
5)ダグラス窩に多量の貯留液を認める.
6)循環血液量減少が想定される所見(貧血,頻脈,低血圧)がある.」
と記述します。

3.異所性妊娠の診断
「産婦人科診療ガイドライン―産科編 2023」CQ203のAnswerは、
「2.子宮腔外に胎囊や卵黄囊,胎芽が確認できれば異所性妊娠と診断する.(A)」
「3.超音波検査で異所性妊娠確定できない場合は,hCG 値の経時的推移も診断の参考にする.(B)」

4.異所性妊娠の治療
「産婦人科診療ガイドライン―産科編 2020」CQ203のAnswerは、「診断後の治療方針(手術療法,薬物療法,待機療法)は患者全身状態,異所性妊娠部位,hCG 値,胎児心拍,腫瘤径等を参考に慎重に判断する.(B)」と記述していましたが、
「産婦人科診療ガイドライン―産科編 2023」CQ203のAnswerは、
「診断後の治療方針(手術療法,薬物療法,待機療法)は,患者の全身状態,着床部位,hCG値,胎児心拍,腫瘍径等を参考にして慎重に選択する.(B)」と記述します。
わが国では適応外使用ですが、欧米では異所性妊娠に対して薬物療法が主流であり,MTX(methotrexate)が第一選択薬として使用されています。

「産婦人科診療ガイドライン―産科編 2023」のCQ203の解説は、「異所性妊娠の治療の原則は手術療法であるが,患者の全身状態や着床部位,hCG値,胎児心拍の有無,腫瘍径,今後の妊娠希望の有無などを参考にして薬物療法や待機療法の適否を判断する.」と記述します。
また、「母体の全身状態が良好な場合は,薬物療法や待機療法も選択可能である.薬物療法には MTX が使用され,症例を選択すれば手術療法と同等の治療成績が得られる.Royal College of Obstetricians and Gynaecologists (RCOG) ガイドラインでは,MTX 療法の良い適応として,ⓐ全身状態が安定していること,ⓑ血清 β-hCG が 1,500IU/L 未満(5,000IU/L までは可能),ⓒ胎児心拍が確認できないこと,などが挙げられている.また,National Institute for Health and Care Excellence(NICE)では,MTX 療法を第一選択の治療とする条件として,ⓐ患者に痛みがないこと,ⓑ胎児心拍の確認できない未破裂腫瘤で直径 35㎜ 以下であること,ⓒ血清 hCG が1,500IU/L から 5,000IU/L であること,などをあげている.」との記載があります。

law office谷直樹法律事務所

〒160-0003
東京都新宿区四谷本塩町3-1
四谷ワイズビル1階
谷直樹法律事務所
TEL 03-5363-2052
FAX 03-5363-2053